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外国籍の子どもの不就学問題

 報道によると、小中学校に不就学の可能性のある外国籍の子どもが、札幌市内で80人ほどいるとのこと。外国籍の子どもには就学の義務はないが、公立の小中学校に就学を希望すれば、国際人権規約などに基づいて無償で受け入れられている。80人の子どもたちがどのような理由から不就学になっているのかの詳細は不明だが、外国人側への周知もこれまで以上にしていく必要があるだろう。

 北海道教育委員会では「帰国・外国人児童生徒が生き生きと学校生活を送るために」というリーフレットを作り、各学校へ啓発をしている。教育現場は外国人のみならず、さまざまな個性や事情を抱えた児童・生徒を受け入れなければならず、きめ細やかな対応を求められる。しかし、日本の学校教員の抱える業務内容や業務量では、その人員数が絶対的に不足している。多様な児童・生徒を指導するためには時間的にも精神的にも「余裕」が必要であるが、求められることばかりが増えていくのが現状ではないか。学校以外でも、子どもたちをサポートしていく仕組みが、これまで以上に必要になっているのだと思われる。

 在留資格の申請取次などを行う行政書士も、外国籍の子どもたちの教育環境についても目配りをしていくことが大切であろう。さまざまな行政機関との橋渡し役としても力になっていきたい。